症例紹介

カテゴリー:

犬の下眼瞼炎症性腫瘤

  • 外科

 

病名

下眼瞼炎症性腫瘤

 

原因

眼瞼の縁にある分泌腺(マイボーム腺)が加齢などにより閉塞、或いは細菌の感染により発症します。

 

症状

最初は気付かない程小さく、1ミリも無いかもしれませんが瞼の縁に膨らみが現れます。
そのまま放置した場合、希に自然治癒することもありますが大概は大きくなります。
その場合大きくなった腫瘤物が眼球を刺激し涙や目脂(めやに)が多くなります。
特に上眼瞼に腫瘤物ができると角膜を傷付けて角膜炎に至る事も少なくありません。

 

治療

①初期であれば点眼(眼軟膏)で或いは内服薬併用で改善が有るかもしれません。
②改善がなければ詰まってしまった(溜まってしまった)分泌物等を圧迫・穿刺して出す処置を行う。暫くして再発の可能性有り。
③麻酔下で手術
経時的に大きくなる様であれば早目に切除、摘出を行った方が良いです。

大きくなると眼瞼ごと大きく切り取ることになり、眼の形が左右で大きく異なってしまいます。

 

 

予防

日頃から人工涙液等の点眼をして眼周囲を清潔に保つ。特にワンちゃんは散歩するので散歩後は可能な限り。

30年以上この仕事させて頂いてますが、猫ちゃんで眼瞼腫瘤物のトラブルは遭遇した記憶が有りません。

今回の症例では1年以上前に発見し、他医院に相談していたそうです。当初はポツっと小さかったそうです。

最近では涙、目脂が多く時々出血があるとその度に大きくなっているとの事で切除を考えるに至りました。

 

 

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